GMTとは、Goal Management Trainingの略称です。元々は認知リハビリテーションの一手法として提唱され、目標達成力を高めるためのトレーニング方法として活用されています。仕事や学習、生活習慣など、さまざまな場面で使いやすいのが特徴です。
GMTは大きく5つのステップに分かれており、段階的に自分の行動を見直し、改善していきます。ここでは、それぞれのステップを簡潔にご紹介します。
ステップ1:立ち止まる
まずは「今の自分」を客観的に見つめ直す段階です。
•現状を振り返る: どんな問題が起きているのか?
•行動パターンをチェック: どこを変えればいいのか?
•ギャップを意識する: 自分が思っている姿と、周囲から見られている姿が一致しているか?
ここでいったん立ち止まって分析することで、後のステップで具体的な改善策を立てやすくなります。
ステップ2:再定義する
次に、どんな目標を設定し、どんな姿になりたいかを明確にします。
•問題点をクリティカルに考える: 「本当に解決すべき課題は何か?」を深掘りする。
•目指すゴールを具体化: どんな状態が「理想形」なのか?
•重要度を決める: 複数目標がある場合は優先順位を付ける。
「再定義」とは、ただ漫然と目的を決めるのではなく、問題の本質や優先度をしっかり見極める作業でもあります。
ステップ3:リストを作る
ステップ2で定めた目標を達成するために、必要な行動をリスト化します。
•具体的な行動レベルにまで細分化: 大きな課題を小さなタスクに分解し、実行しやすくする。
•見通しを立てる: タスクが明確になると、どれくらいの時間・手順が必要かが把握しやすい。
•ToDoリストの活用: 紙やアプリなど、自分が管理しやすい方法でタスクを書き出す。
“細かく分解する”のが最大のポイント。漠然とした目標を、「行動」に落とし込むことで実現への道筋をハッキリさせます。
ステップ4:憶える
この段階では、ステップ2(目標)とステップ3(行動リスト)を覚えて、実行フェーズへ移行します。
•If-Thenプランニング: 「もし〇〇の状況なら、〇〇の行動をとる」という形式で、具体的にシミュレーションしておく。
•頭に叩き込む: 紙に書く、スマホにメモする、付箋を貼るなど、自分に合った方法で常に目に入るようにしておく。
•習慣化を意識: リストに書いた行動を少しずつでも継続することで、自然と身につけていく。
実際に行動するときに迷わないよう、脳内にしっかりセットしておくイメージです。
ステップ5:点検する
最後は、実際にやってみた結果を「検証」するフェーズです。
•結果と目標を比較: めざしたゴールに近づいたか? どのくらい達成したか?
•リストの修正点を探す: うまくいかなかった場合は、その原因を行動リストの細分化不足や優先度の誤りなどから探る。
•自分を責めない: 実践できなかったときは「自分のやる気が足りない」のではなく「リストの組み方が合わなかった」と捉える。
ここではあくまで「リストを改善する」という視点で振り返りましょう。失敗を自分の性格や努力不足だと決めつけず、次回に活かすためのプロセスとして活用することが大切です。
まとめ
GMT(Goal Management Training)は、日常生活から仕事まで、さまざまなシーンで「目標管理能力」をアップさせるためのフレームワークです。
•立ち止まる(現状分析)
•再定義する(目標設定)
•リストを作る(行動を具体化)
•憶える(行動を記憶・実践)
•点検する(振り返りと修正)
この5つのステップを繰り返すことで、モチベーションを保ちながら改善を重ねる習慣が自然と身に付きます。「理想の自分」に近づくための道筋を明確にしたい方は、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
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