誰しもミスや失敗は避けられないものです。が、私の場合は特にADHDの傾向があるせいか、日常的に大小さまざまなミスをしてしまいます。
もちろん少なくしようとは努力しています。ただ、同じ失敗を繰り返したり、見たこともないような新種(?)のミスを犯してしまったり……。
そして、ミスをしたときに陥りがちなのが「反芻思考(Ruminative Thinking)」です。
「自分はなんてダメなんだろう……」「周りはこんな簡単なミスをしないのに、なんで私ばっかり……」
「また同じ失敗をやらかした……」
こんな風に何度も何度も頭のなかで失敗を思い返し、自分を責めてしまうループにハマる。これは幸福度を下げる大きな原因になります。
どうすればこの反芻思考を減らし、ミスを前向きにとらえられるようになるでしょうか?
今回は、私自身が心がけている対策をご紹介します。
反芻思考を断ち切るためのカギは“リアプレイザル”
「リアプレイザル(Reappraisal)」とは「再評価」を意味する言葉です。要するに、「ミスを単なる失敗で終わらせず、学びのきっかけとして再定義しよう」という考え方だとイメージしてください。
•ミスは誰にでも起こるもの
•それによって得られる教訓は何か?
•今回の失敗を通じて、自分はどんな発見をしたか?
こうした問いを自分に投げかけるだけで、ミスを「自分を進化させてくれるイベント」としてとらえ直すことができます。
もちろん、もし人に迷惑をかけてしまった場合は、まずきちんと謝罪することが前提です。
しかし、そのあと不必要に自分を攻撃しても、状況は好転しません。
反省は大切ですが、“くよくよ”し続けるより「次のために、どんな準備ができるか」を考えたほうが、はるかに建設的だと思います。
同じミスを減らす——だけど完璧は目指さない
たとえリアプレイザルをしていても、また似たような失敗を繰り返すことは往々にしてあります。
私も例外ではなく「そろそろ完璧にできるかな?」と期待した矢先に、似た失敗をするなんて日常茶飯事。でも大丈夫。
いきなり100%の無ミスを目指さなくてOK。
失敗の回数を減らしていくことを目標にしましょう。気持ちが少しラクになります。
反芻思考に気づくためのメタ認知トレーニング
リアプレイザルを実践する前に、まず「自分が反芻思考に陥っているかどうか」に気づく必要があります。反芻思考に没頭するとき、人は無意識のうちに頭の中をぐるぐる回してしまいがち。
そこで役立つのがメタ認知です。
•メタ認知とは?
自分の思考や感情を客観的にとらえるスキルのこと。第三者視点を持つイメージで、自分を観察してみる感じです。
•具体的な方法
•紙に書き出す: 頭の中のモヤモヤを文字にすることで、今自分が何を考えているかが客観視しやすくなります。
•ツールを使う: 例えばGoogleカレンダーやスマホのメモ帳など、日々の出来事や感情を書き残しておけば、自分がどのタイミングで悩んでいるかを把握できます。
このような習慣をつくると、「あ、今わたし、同じ失敗を思い返してネガティブに沈み込んでるな」と気付きやすくなるのです。
そうなれば早めにリアプレイザルを発動でき、反芻思考を断ち切りやすくなるでしょう。
まとめ:反芻思考に気づいたらリアプレイザルへ
•ミスや失敗は誰にでもある
•意識するべきは「自分が反芻思考に陥っているかどうか」に気づくこと
•気づいたらリアプレイザルを行い、「学び・進化の機会」として再評価する
完璧な人なんていません。私のようにADHDの傾向があると、失敗の数は少し増えるかもしれませんが、その分しっかり学びを得れば、同じミスを“段々”減らしていくことは可能です。
反芻思考で落ち込んでしまったときは、一歩引きましょう。
「また反芻しているな」と気づき、ポジティブに捉え直してみましょう。
ほんの少しの意識改革が、明日をちょっとだけラクにしてくれるはずです。
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